ハウスロボット「マチルダ」の一生
皆さん、ハウスロボットはご存じでしょうか。巨体でSFに登場しそうなハウスロボット達はイギリスのRobot Warsで登場し、番組の人気に大きく貢献しました。
彼らはアリーナのハザードとして機能し、CPZ(コーナーパトロールゾーン)に入った機械に攻撃したり、停止した機械にとどめを刺したりします。また攻撃的でなく、戦闘を公平に保つ役割である審判ロボットも存在します。
今回はそんなハウスロボットのうちの1体、マチルダ(Matilda)の進化の歴史をご紹介します。
オリジナルデザイン
「混沌の家長、マチルダだ!鋼の牙、全ての装甲を切り裂くチェーンソーが相手を破壊する!」byジョナサン=ピアス
シーズン1で登場した彼女は、圧縮ガスのエネルギーを使った油圧リフター/フリッパーと、リアのチェーンソーを武器としていました。強化ファイバーガラスを装甲とし、地球外生命体の豚のような恐竜をテーマとして装飾されました。しかし3000RPM+のチェーンソーは金属装甲に効果的でなく、リフターの威力が弱いところから競技者から狙われることが多かったそうです。
シーズン3ではESCを始め内部の電子機器がガラッと変えられ速度が2倍にアップグレードされました。さらにシーズン4で牙が高い位置に取り付けられ、威力が上がりましたが、リアのチェーンソーはそのままでした。
Razer 対 Onslaughtでの悲劇
Southern Annihilatorでの決勝が、武器の弱さが明白になった瞬間だと思います。マチルダはレーザー対オンスロット戦でコーナーを警備していたところ、オンスロットが侵入してきたため牙で攻撃しました。その時レーザーが彼女の後ろに回り込みクラッシャーで攻撃してきたのです。
ファイバーガラスの装甲は貫通され炎上し大破しました。そしてオリジナルのマチルダは2度と日の目を見ませんでした。
マチルダの再起
シーズン5で新たなマチルダが作られました。重量116Kg、全長140cm、高さと幅が60cmあります。
彼女の牙は根元がCO2駆動の2本のピストンにつながっており、威力が格段に上がりました。リアのチェーンソーは27Kgのフライホイール(ディスクスピナー)に変えられ、接触したロボットを軽く数メーター吹っ飛ばすことができるようになりました。
このマチルダは攻撃性が凄まじく効果的だったため、シーズン8まで大きな修正はなされませんでした。
新たなマチルダ
「前シーズンの3倍の重さになった彼女、牙は凄まじい威力で上向きにフリップする。そして彼女のフロントにやられなかったら、リアにやられるだろう。巨大な35kgのハードックス製のフライホイールが、マナーを守らない選手だちを2つに引き裂くことができ、木材をマッチへと、彼女の悪魔の目が瞬きする間に変えてしまうだろう。」
byジョナサン=ピアス
シーズン8のマチルダはロボチャレンジによって新しく作り直され、飛躍的なアップグレードがはいりました。ウエイトは116kgから350kgへ, 800psiのフリッパー、 1500 RPMのディスクスピナーと、日々進化する競技ロボット達を圧倒できるよう作成されたのです。
リタイヤ
シーズン10が終わると彼女はひとまず引退となりました。またRobot Warsが放送される日まで、他のハウスロボットと一緒に倉庫で冬眠しているのでしょう。
参考にさせていただいたもの
All about Matilda
https://www.youtube.com/watch?v=cON9LD532FA&t=152s
Robot Wars Wiki
https://robotwars.fandom.com/wiki/Matilda